Aidemy Tech Blog

機械学習・ディープラーニング関連技術の活用事例や実装方法をまとめる、株式会社アイデミーの技術ブログです。

VR/ARの教育分野へのアプローチを考えた[Google I/O '17]

Google I/O 2017 は2017年5月中旬に行われた、Googleが主催するカンファレンスイベントである。
本稿は、その発表のうちVR/ARに関するものについて。
youtu.be

VR/ARはまさに今発展途上のメディアである。Googleだけでなく、AppleFacebookも注力している分野であるから、ここはやはり注目すべきだろう。

私はVR/ARの初期段階は教育分野で活躍していくと考えている。
VRはこれまで時間や場所が制限していた理解や想像の上限を取り払ってくれる。
ARは純粋にたのしいし、子供にとっても親しみやすいバーチャル教材となる。
これらは紙面や卓上の実験をはるかに上回る理解を、可能にできるからだ。

スタンドアローンVRの活躍の場

発表ではスタンドアローンなVRヘッドセットの発表が目立った。

youtu.be 上の動画ではドッヂボールのボールを避ける練習をVRでする少女が映っている(実例としては微妙である)が、確かにその自由度は高く見える。

VRが教育分野で使用される例として、次のようなものが考えられる。

・有名な地層の観察する
・歴史の授業において、当時の様子を再現した世界を見る
・宇宙空間を移動して、星の大きさや星座を色々な角度から観察する

VRによって、場所や時間の制限のなく様々なものの体験や観察ができるだろう。
しかし、簡単なVRであれば、ダンボールVR*1スマホで実現できる。教育現場で使用されるVRであれば、これくらい安価で簡単なもので十分なはずだ。
したがって、このスタンドアローンVRが教育分野で使われることは少なく、むしろ、家庭用ゲーム機のような立場でエンターテインメントとしてのVRに特化するのではないか。

ARの教育分野への可能性

ARについて、Googleは既にいくつかの形で進めている教育分野への活用を発表した。

f:id:mmmmmmorix:20170616042934p:plainf:id:mmmmmmorix:20170616042918p:plain 博物館を広く使ったARで、都会の人々が熱帯雨林について学んだり。

f:id:mmmmmmorix:20170616042928p:plain 教室の真ん中に土星を浮かべ、それぞれみんなで観察したり。


ARは他に、以下のような使用例が考えられる。

・授業に用意することの難しい花や動物の観察
・ランニングフォームや跳び箱の、プロによる実演を色々な角度から見て学ぶ
・摩擦係数ゼロの平面や現実とは異なる重力加速度での物理学の実演

教室での再現が難しいものをARを使って見て、観察ができるというのが主な使い方になると考える。
ARによって、様々なものを画面を通して「観察」することで、生徒の想像力の限界を超えて理解することが可能になるだろう。


発表の中のARを使ったワークショップや授業はやはりまだ、「非日常のイベント」という印象があった。このようなワークショップが多くの博物館で行われたり、このような授業が当たり前のようにできたら、子供達の「学び」に対する姿勢も変わってくるだろう。
コンテンツ作成やARの簡単な導入のプラットフォーム作りに期待したいところだ。

最後に

Googleの提供するVR/ARが利用できるのはまだ限られたデバイスだけだが、今年中に対応機種はどんどん増えるそうだ。

教科書や参考書を作って提供する会社があるように、VR/AR教材を専門に作る会社も現れるのだろうか。良いコンテンツのVR/AR教材を、安価でかつ導入を簡単にして提供できれば、ビジネスチャンスも見えてくる。

VR/ARは仕事の仕方や遊び方、教育におけるアプローチの仕方などに今までにない新しい提案をしてくれる。
実際、GoogleはARを使った教育への取り組みを始めている。
彼らはAppleよりも、技術の使い方をちゃんと考え、そのプラットフォーム作りに注力しているように思えた。その努力が今後のVR/AR教育分野を支配する要因になるかもしれない。


VR/ARは未だ発展途上の段階であるが、Applefacebookの最近の発表でもVR/AR領域の発表はあったことから、テック業界のこの領域に対する本気度を感じることができる。
これらの技術は、映画やアニメで見た近未来の世界に私たちを近づけてくれる。教育分野だけでなく、私たちの生活にも便利で楽しい影響を与えてくれることを期待したい。